19世紀後半のロシアにおいて、民族主義的な芸術音楽の創造を志向した作曲家集団「ロシア５人組」のひとり、アレクサンドル・ボロディンによって作曲された、彼の代表作とも呼べる作品「歌劇《イーゴリ公》」から抜粋された音楽である。
科学者であり、また医師としての本職が多忙であったボロディンは、この歌劇を生涯のうちに完成させることができず、彼の死後に友人であったリムスキー=コルサコフとグラズノフによって補筆・完成された。
曲は、快活な舞曲である「ダッタン人の娘たちの踊り」と、５つの部分からなる「ダッタン人の踊り」の２曲で構成され、ロシアの大平原を思わせる牧歌的な旋律な情熱的なリズムが散りばめられている。