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春になって、王たちが戦いに出るにおよんで

旧約聖書の「歴代志」20編を開くと、そこには以下のような文章が記されています。
「春になって、王たちが戦いに出るに及んで、ヨアブは軍勢を率いてアンモン人の地を荒らし、行ってラバを包囲した。・・・」(旧約聖書・日本聖書協会発行、1955年改訳より)
この曲はその後に続く「歴代志」の20編1〜3節に語られている話、つまりヨアブを司令官としたダビデ王の軍隊が、敵であったアンモン人の地に攻め入り包囲したこと、その後のアンモン人に対して行った襲撃とそれに伴う戦地での状況、そしてダビデの軍隊が聖地エルサレムへの復権を果たしたときの様子などをもとにつくられています。
作曲者のホルジンガーは、通常私たちが「メロディー」という言葉からイメージするものとはかけ離れた、まさに「音の塊」といえるような独特の音の響き、人の声などといった様々な音楽的表現を利用し、この旧約聖書のエピソード、つまり「悲哀、歓喜、悲嘆、信仰、悲壮感」などからなる1つの風景を描写しようとしてます。
この曲は、吹奏楽で最も権威があるとされるABA Ostwaldという賞を受賞しています。