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交響曲第1番

R.ジェイガーは、1939年8月25日アメリカ・ニューヨーク州に生まれた。彼の作品はバンド音楽だけでなく、管弦楽、協奏曲、合唱、室内楽、歌劇など多岐にわたり、出版曲は100作を越え、三度の「オストウォルド賞」をはじめ、数多くの賞を受賞している。この「交響曲第1番」はジェイガーの海軍所属時代の作品であり、1969年ABAの作曲者卯である「オストウォルド作曲賞」において第1位に選ばれた。曲は全4楽章で構成されている。

第1楽章「アンダンテ・エスプレッシーヴォ〜アレグロ〜アンダンテ」
緩〜急〜緩の構成の中に、全楽章に現れるこの曲全体のモチーフとなるメロディが随所にちりばめられている。冒頭の低音楽器の印象的で劇的なオープニングは、ホルンのソロから木管楽器に引き継がれて発展し、やがてリズミカルなアレグロ、高音部の木管楽器による新たな主題へと続き、アンダンテへと移る。そして牧歌風に歌われる冒頭部分の主題が様々な楽器に受け渡されつつ、金管群とヴィブラフォンが動機の音形を示し、静かに終わる。

第2楽章「アラ・マルチア」
静かで軽やかなパーカッションのリズムとフルートがスタッカートで刻む主題が、次第に楽器を変えつつ展開していくマーチ。遠くからだんだんとバンドが近づき、そして通り過ぎていく様子を描写するという、「パトロール」と呼ばれた形式に似た音楽となっている。

第3楽章「ラルゴ・エスプレッシーヴォ」
フルートとクラリネットで始まる主題は、次々と様々なパートに受け継がれながら大きく発展し、最後は木管の静かなソロで曲を閉じる。ロマンチックでバラードのような雰囲気を持つ楽章。

第4楽章「アレグロ・コン・フォーコ〜アンダンテ〜アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」
急〜緩〜急の構成を取りつつ全楽章の中で最も力強い、フィナーレにふさわしい曲。まず始めに木管楽器のフォルテシモのトリルと小太鼓のリズムに乗り、第1楽章の始めに現れた曲全体の核となる主題が現れる。このベースとなるメロディを様々な楽器が発展させ、途中ゆっくりとしたアンダンテを経過し、最後は圧倒的な激しさとともに曲を閉じる。